世帯視聴率から個人視聴率へ。新視聴率調査とは?
テレビの視聴率については、なんとなくご存じの方が多いのではないでしょうか。しかし、今や視聴率は大きな変化を迎えています。2020年3月に視聴率は大幅なリニューアルを行い、新視聴率調査が始まりました。
このコラムでは、新視聴率調査について解説いたします。
目次[非表示]
- 1.新視聴率調査について
- 2.視聴率とはなにか
- 2.1.世帯視聴率と個人視聴率
- 2.2.世帯視聴率とは
- 2.3.個人視聴率とは
- 2.4.近年の視聴率について
- 3.新視聴率調査へ
- 3.1.個人視聴率の詳細化
- 3.2.BS視聴率の登場
- 3.3.タイムシフト視聴率の全国展開
- 4.個人視聴率とタイムシフト視聴率へと変わる購入方法
- 5.まとめ
- 5.1.新視聴率調査についてのまとめです
新視聴率調査について
・新視聴率調査についての説明です
- 新視聴率調査とは2020年3月30日にビデオリサーチ社がスタートさせた、新しい視聴率の調査方法です。
- 関東/関西/名古屋/北部九州の4地区だけで行っていた機械式調査を全国規模に拡大、調査機器も大幅に増加し、データの質を向上
- BSの視聴率への対応と世帯視聴率から個人視聴率への本格シフト、タイムシフト視聴調査の拡大が行われました。
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視聴率とはなにか
新視聴率の前に、そもそも視聴率とはなんでしょうか。
視聴率は視聴されている率。どのくらいの人々がそのチャンネルを閲覧したかを示す数値です。
ビデオリサーチ社が調査した標本調査結果であり、インターネット広告のクリック数のように実数ではなく、統計学的におそらくそのくらいであろうという数値になります。
32の放送地域ごとに視聴率は計測されます。
世帯視聴率と個人視聴率
視聴率は大きく分けて、世帯視聴率と個人視聴率があります。
文字通り世帯視聴率は世帯別の視聴率で、個人別の視聴率が個人視聴率です。
紅白歌合戦が視聴率60%を超えていた時代など、従来使われてきた視聴率は「世帯視聴率」を指します。
世帯視聴率とは
世帯視聴率とはそのテレビ局の放送を見ることができる世帯のうち、どれだけの世帯においてテレビに映っていたか、ということになります。
視聴率100%というと「その地域の人がみんな一度見た」と解釈してしまう方がおりますが、これは正解ではありません。
世の中には1名の世帯もあれば、10名の世帯もあります。1%でも家族揃って見ている番組であれば、かなりの人数が見ていることになりますね。また、4人家族だとしても4人揃って見ているとは限りません。2人かもしれないし、1人かもしれないですよね。あくまでその世帯でテレビに映っていた数値です。
世帯視聴率はあくまでも世帯数が基準で、視聴人数がわかるものではありません。
個人視聴率とは
世帯視聴率では世帯数しかわからないと記載しました。もともと視聴率とは一家に一台テレビがある時代の考え方だったのです。現在は家に複数のテレビがあり、時代に即していないという意見が多くなりました。そこで登場したのが個人視聴率です。
1997年頃から個人視聴率の調査は始まりましたが、一般的に視聴率といえば世帯視聴率を指す時代はしばらく続きました。この間、視聴率という言葉が、テレビ局によって世帯視聴率なのか個人視聴率なのか異なっていました。
家庭内でも各々が別の行動を取るのが当然となった現代において、世帯視聴率から個人視聴率へのシフトは待ち望まれており、個人視聴率調査エリアは関東から、関西、中京と徐々に拡大し、ついに新視聴率調査において全国規模になったのです。
近年の視聴率について
1995年頃はドラマやバラエティ番組でも視聴率30%を超えることもありましたが、近年では20%を超えることも稀となりました。ゴールデンタイムで10%以下というのも珍しくありません。
これは一概にテレビ離れとも言えず、BSやCSなどチャンネルが増えたこと、更にはインターネット動画配信サービスなどの普及でテレビで見るものの選択肢が増加したことも要因です。
録画で見ることが一般的に普及したことや、簡単に見逃した番組を見ることができるサービスの登場など、テレビのあり方は時代とともに変化しています。
こういった状況も踏まえて、新視聴率調査の導入が行われることになりました。
ビデオリサーチ社が公表している「週間高視聴率10」についても、世帯視聴率から個人視聴率に変わっています。(2022年4月14日から変更)
新視聴率調査へ
メディアの多様化を受けて、テレビの視聴率も変化しています。ビデオリサーチ社は、2020年3月30日に新視聴率調査を開始。大幅なリニューアルが行われました。全国的に機械式視聴率調査機を大幅に増加させ、視聴率で得られるデータも大きく変わったのです。
個人視聴率の詳細化
新視聴率調査により個人視聴率の取得が本格化しました。
従来も個人視聴率は取得されていましたが、エリアが狭いことや調査台数が少ないなどの理由から使用される機会は少ない状況でした。
新視聴率調査では家の中に複数台ある各テレビごとに調査され、人数も把握することができるようになっています。性別や年齢層もわかるようになりました。
現時点でも世帯視聴率と個人視聴率のどちらを採用しているかはテレビ局によって違いますが、徐々に「個人視聴率」に変わってきています。
BS視聴率の登場
BS放送が開始されたのが2000年12月。閲覧可能な世帯数は4,500万件を越え、テレビ視聴可能世帯の75%以上が見ることができるようになりました。
この状況を受けて新視聴率調査では、BS番組の視聴率調査が本格化しました。まだ民放7局、NHK2波が対象ですが、今後増えていく可能性がありそうです。
全国放送のBSであっても、地上波と同じ放送地域で視聴率は計測されています。これにより地上波と同じ条件でBSのCMも検討できるようになりました。
タイムシフト視聴率の全国展開
録画機が普及し、テレビはリアルタイムで見るだけのものではなくなりました。録画した番組を見た場合の視聴率がタイムシフト視聴率です。オンエアから7日間(168時間)以内に再生されたものが対象となります。
気軽に見ている番組はリアルタイムで、期待しているドラマはタイムシフトで見るという方も増えており、このタイムシフト視聴率はテレビ番組の評価に関して外せない要素になってきています。
タイムシフト視聴率も関東では2016年10月からスタートしていましたが、この新視聴率調査で全国規模に拡大しました。
また、リアルタイムもしくはタイムシフトのいずれかで視聴したという、合計の視聴率を総合視聴率と呼びます。
大事に見たい番組こそタイムシフトで視聴したい、という視聴者もいることから、特に人気ドラマはこの総合視聴率が話題になることがあります。
個人視聴率とタイムシフト視聴率へと変わる購入方法
この新しい調査結果が得られるようになったことを踏まえて、CM販売の方法が変わりました。
それが、新しい取引指標「P+C7」です。こちらについては下記のコラムを参照ください。
まとめ
新視聴率調査についてのまとめです
- 2020年3月に行われたビデオリサーチ社の調査方法のリニューアルのこと
- 全国的に個人視聴率を機械式で調査できるようになった
- BS放送の視聴率が地上波同様にわかるようになった
- 昔に比べて高視聴率番組と呼ばれているものの視聴率は落ちているがこれは視聴環境の変化によるもの
- 時代に即した調査を実施するべくして行われたのが新視聴率調査
- 導入によってタイムシフト視聴率と個人視聴率のデータ精度が向上しテレビ局も新しい取引指標を検討できるようになった
視聴率のことはテレビCMを実施する場合必要な知識です。しかし、記載したとおり視聴率も時代によって変化しており、視聴率だけで判断できるわけでもなくなってきました。
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