新しいスポットCMの取引指標、P+C7について


テレビCMの購入方法については、長らくGRPというものを使ってきました。しかし一世帯に一台のテレビという時代は終焉を迎え、個人全体視聴率へとシフトしています。また、タイムシフト視聴が普及したことで、実際にはCMを見ているのにそれが反映されていないという意見も。そこで時代に合わせて修正することになったのです。

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このコラムでは、新しいスポットCMの取引指標であるP+C7について解説いたします。

目次[非表示]

  1. 1.P+C7について
  2. 2.従来の取引指標とは
    1. 2.1.取引指標はなぜ変わるのか?
    2. 2.2.新取引指標(P+C7)とは
    3. 2.3.個人全体視聴率(ALL)とは
    4. 2.4.Pとは
    5. 2.5.C7とは
  3. 3.まとめ
    1. 3.1.新取引基準(P+C7)についてのまとめです

P+C7について

・このコラムは新しいスポットCMの取引指標P+C7についての基礎知識です

・この記事は3分で読めます


従来の取引指標とは

昔からのスポットCMの買付指標はGRP。延べ世帯視聴率でした。

GRPについては下記のコラムに詳しく記載しています。

  【テレビCMコラム】GRPについて | CMの窓口 スポットCMをするなら必須の知識、GRPについて解説いたします。 CMの窓口




取引指標はなぜ変わるのか?

もともと世帯視聴率はテレビが一家に一台を前提としていたため、時代に即していないという指摘がありました。

そのため視聴率の対象を世帯から個人にするべき、というのが一つ。

もう一つは、視聴率がリアルタイムのものだけを対象としていた点。

今では録画機器の普及で、実際には番組を見ているのに視聴率に反映されていない。CMも見ているはずだ、という指摘です。

ただし、録画機器ではCMをスキップしている可能性も高い。そういう意見も多くありました。

こういった議論を繰り返しながらも、リアルタイムの世帯視聴率だけでは時代遅れだという認識は持っており、いずれ変えなければならないという危機感があったといえるでしょう。

そのためタイムシフト視聴率は調査はしていたものの、あくまで参考値であり、取引には使用していないという期間がありました。


新取引指標(P+C7)とは

2021年9月15日に福岡県を中心とする在福テレビ局5社が共同会見を開きました。

それは2022年4月よりスポットCMの取引基準を変更するというものです。ここで福岡の民放テレビ局5社が同時期に同じ取引基準を採用することを発表したのです。

東京のキー局や関西などで新取引指標を順次導入していく中、福岡5局が決定したことで、他のエリアでも同様に変更していく流れになっています。

この新取引基準で、大きく変更となるのは二点。

視聴率の計算を世帯から個人全体(ALL)に変更とすること。

リアルタイムだけでなく、タイムシフトの視聴率も使用することです。


個人全体視聴率(ALL)とは

世帯視聴率というのは調査対象の世帯のテレビに映っている番組で決まります。10世帯のうち1世帯のテレビに映っていたら視聴率が10%ということですね。

福岡のテレビ局の場合は、北部九州エリア400世帯約930人が視聴率を測定する対象となっているので、そのうち40世帯がその番組を視聴しているときに視聴率10%となります。

この400世帯約930人の対象を「400世帯」から「930人」に変更するというのが個人全体視聴率。この約930人がどの番組を見ていたのか、それで判断するように変わります。

これにより調査対象世帯の4人家族がそれぞれ別の番組を見ていても、全て視聴率に反映されるようになります。

※上記の世帯数や人数は視聴率を測定するために行っている調査対象者の数です。実際の視聴世帯数や人数ではありませんのでご注意ください。


Pとは

Pは「ProgramRating」の略で番組平均視聴率のことです。

前4週平均の番組の視聴率の平均を使います。これは従来のスポットCMと同じです。

ただ従来は世帯視聴率の平均でしたが、新取引基準では個人全体視聴率の平均を使用します。

こちらは従来どおり、リアルタイムの視聴率になります。


C7とは

Cは「CM Rating」の略でCM枠の平均視聴率のことです。

7は「7日間内再生」で、C7とは「7日間内のCM枠平均視聴率」を表します。

これはタイムシフトの視聴率に使用します。

タイムシフトでは番組ではなくCMの視聴率を使用することで、CMをスキップしているのではないかという懸念を払拭しているわけですね。

また、タイムシフトの場合はリアルタイムと異なり、同一人物が複数回閲覧する可能性があります。そのためC7では視聴人数ではなく視聴回数でカウントされ、述べ視聴率となります。


まとめ


新取引基準(P+C7)についてのまとめです


  • 世帯視聴率ではなく個人全体視聴率を使用する
  • 新取引基準ではタイムシフト視聴率も使用する
  • リアルタイムの前4週平均番組視聴率(P)とタイムシフトの7日間内のCM枠平均視聴率(C7)の合計を新取引指標(P+C7)と定める
  • この新取引基準(P+C7)は関東や関西、福岡で使用されることが決定し順次他のエリアでも導入される見込み

新取引基準は時代に即したものに変わっています。まだ全国で利用されているわけではありませんので、地域やテレビ局によって採用している取引指標が異なります。

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